管理監督者|就業規則の作成(大阪・京都)

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管理監督者(監督若しくは管理の地位にある者)

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「日本マクドナルド事件」の判決を受けて、特に多店舗展開している飲食業や小売業の間で激震が走っています。
マスコミでは「名ばかり管理職」や「管理監督者」として取り扱っていますが、ここで問題となっているのは、正式には「監督若しくは管理の地位にある者」ということです。
労働基準法第41条第2項では「労働時間、休憩及び休日に関する規定は、事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」(以下、管理監督者という)については適用しない」とされています。

それを受けて、就業規則では「管理監督者については、時間外手当、休日出勤手当を労働基準法第41条に基づき支給しない」と規定している例が多いのです。

日本労務研究会「管理監督者の実態に関する調査研究報告書」(2006年)によりますと、ライン職のうち、課長代理で42%、課長クラスで74%、部長クラスで86%が管理監督者として取り扱われています。
一般の企業のイメージでとらえると、管理職=課長、監督職=係長です。上記のような結果になっているのは、企業の管理職と労働基準法上にいう管理監督者を同じと考えているからです。

ここで企業として考えなければならないのは、
@ 労働基準法第41条に該当する対象者をどう見直すのか
A 対象から外れた者の賃金や労働時間をはじめとする労働条件をどう見直すのか

⇒これら労働条件の変更した結果を就業規則に規定し周知することです。

そのための検討材料としては、
労働条件の不利益変更について、全社員個人ごとの同意をとるのか、それとも就業規則の不利益変更でいくのか?ということになります。

就業規則作成の道しるべ

  • 昭和22年、昭和63年通達によると次のような判断基準になります。
    局長、部長、工場長等労働条件の決定その他の労務管理について 経営者と一体的な立場にある者 で実態的に判別すべきものである。
    職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って適用除外が認められる趣旨である。
    資格及び職位の名称にとらわれることなく、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目する必要がある。
    その地位にふさわしい待遇
    ・定期給与である基本給、役職手当等においてどうか
    ・ボーナス等の一時金の支給率、その算定基礎賃金について一般労働者より優遇措置があるか
     ※一般労働者に比べて優遇措置がなされているからといって、
       実態のない者が管理監督者に含まれるものではないこと
  • 「多店舗展開する小売業、飲食業等の店舗における管理監督者の範囲の適正化について」(平成20年9月9日、基発第0909001号)の通達からの判断基準
    労働基準監督官の調査時には、これらのことが反映されますので十分注意が必要です。
    なお、この通達には、「・・・ここに示す管理監督者性の否定要素が認められない場合であっても、直ちに管理監督者性が肯定されるものでなないことに留意されたい」とあります。
    これに基づいて下記の(1)から(3)の判断要素に基づいた対応が最低でも必要になります。ただし、それらに対応したから労働基準第41条に該当する「監督若しくは管理の地位にある者」というわけではなく、あくまで先に説明した昭和22年、昭和63年通達の判断基準によるということです。

    (1)職務内容、責任と権限についての判断要素
    1. 採用 
      店舗に所属するアルバイト・パート等の採用については人選のみを行う場合も含んで、責任と権限を与えるようにしなければなりません。
    2. 解雇 
      アルバイト・パート等の解雇に関する事項が職務内容に含まれていない場合は管理監督者性を否定する要素になるから、それを実行していることとそのことを明らかにするために、管理監督者の権限を就業規則等で明らかにしておく必要があります。
    3. 人事考課 
      人事考課に関して実質的にこれに関与しなければならないので、パート等の人事考課がなくても、社員の人事考課があるのであれば、店舗の部下社員については一次考課者として考課することを就業規則等で明確にしておきます。
    4. 労働時間の管理
      シフト表や勤務割表の作成や時間外労働等の命令は店長が必ず行うようにします。

    (2)「勤務態様」についての判断要素
    1. 遅刻・早退に関する取扱い 
      遅刻・早退については、月例の賃金から引かないことは勿論、減給の制裁や人事考課での評価は行わないようにします。
      遅刻・早退という概念を削除することが大切です。(意味がない)
    2. 労働時間に関する裁量 「営業時間中に店舗に常駐しなければならない」「人員が欠員した時など自ら従事しなければならない」などマニュアル等で規定してはいけません。ただし、店舗運営する上で自らの裁量としての判断でたまたま自分がシフトに入ったことについては関係ないと考えます。
    3. 部下の勤務態様との相違 
      部下と同様の勤務態様であれば(たとえば、マニュアルに従った業務に従事しているなど労働時間の規制を受ける部下と同様の勤務態様が労働時間の大半を占めている場合など)管理監督者性を否定されるので、きちんとわかる形で就業規則やマニュアルに規定しておき、実行するようにします。

    3)「賃金等の待遇」についての判断要素
    1. 基本給、役職手当等の優遇措置 
      基本給、役職手当等の優遇措置が、実際の労働時間を勘案した場合(どのように勘案するかがポイント)、割増賃金と比較してどうかを考えます。ただし、管理監督者については労働時間を把握する必要もなく、また、把握もできないような態様であれば、健康管理上の措置から一様の拘束時間と深夜時間のみを把握した場合、実際には比較しようがないので、管理監督者でない者の時間外手当を含めた賃金と比較考慮することは必要と考えられます。
    2. 支払われた賃金の総額 
      賃金総額を一般社員(特別な社員は除く)と比較して低くならないようにします。
    3. 時間単価 
      時間単価については、私の見解であるが、拘束時間で割ってもパートやアルバイトよりは高くなっているようにしておく必要があります。

      総合結果では、店長以外で管理監督者として認められた者はない(33件中0件)ので、まず認められないことを念頭に置く必要はあります。
  • 「日本マクドナルド事件」から新たな判断について考える
    判断の要素に「経営者と一体的な立場にある者」ということがありますが、これに関して、
    「・・・また、店長は、店長会議や店長コンペンションなど被告で開催される各種会議に参加しているが、・・・他に店長が企業全体の経営方針等の決定過程に関与していると評価できるような事実も認められない。以上によれば、被告における店長は、店舗の責任者として、アルバイト従業員の採用やその育成、従業員の勤務シフトの決定、販売促進活動の企画、実施等に関する権限を行使し、被告の営業方針や営業戦略に即した店舗運営を遂行すべき立場にあることから、店舗運営において重要な職責を負っていることは明らかであるものの、店長の職務、権限は店舗内の事項に限られるのであって、企業経営上の必要から、経営者との一体的な立場において、労働基準法の労働時間等の枠を超えて事業活動することを要請されてもやむを得ないものといえるような重要な職務と権限を付与されているとは認められない。」

    この判例では、経営者との一体的な立場とは企業全体の経営方針等に関与することをいっています。

    また、この判例では、基準給や賞与について言及していますが、最終的には年収によって水準を判断しているといえます。その基準は、店長が最低の評価をとったときとの比較でみているようです。

    これらから、先にも述べました
    @ 労働基準法第41条に該当する対象者をどう見直すのか
    A 対象から外れた者の賃金や労働時間をはじめとする労働条件をどう見直すのか

    ⇒これらの労働条件の変更を就業規則に規定し周知することです。

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